労働契約は、だれしもが締結する一番身近な契約の一つです。
しかし、労働契約においては、使用者が「雇っている」というある種「強い立場」にあることから、法律的に問題のあることが往々にして受け入れられてしまっています。たとえば、「サービス残業の強制」、「不当解雇」、「一方的な給料の減額」、「セクハラ・パワハラ」、「労災保険がでない」など、いずれも頻繁に発生していることです。これらの事情がある場合であっても、「会社の経営状態が厳しいから仕方がない」とか「景気が悪いから」などといって、あきらめていませんか?しかし、先ほど挙げたような行為は、いずれも法的には認められないものばかりです。泣き寝入りせずに、労働者としての権利を主張するべき問題です。特に最近は、訴訟手続だけでなく、「労働審判手続」という簡易で、時間のかからない方法も利用できますので、積極的な利用をおすすめします。
また、使用者の立場からすると、労務管理をおろそかにしていると、労働者からの賃金請求や解雇無効を主張されるだけでなく、損害賠償責任等を負うリスクが増大します。特に、労働者の作業環境について、使用者の安全確保が不十分であると、労働災害による莫大な損害賠償責任を負うこともあり、この場合には当該損害賠償責任により、会社の存亡すら危機に立たされることもあり得ます。そこで、日頃から労務に関する相談を弁護士にするとか、問題が発生した場合にいち早く弁護士に相談するということが、紛争防止、リスクの低減のために、重要なものといえます。 |
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